現代語訳

・「マサカキ※を植え継いで500本に満ちる頃(6万年×500本=3000万年)、男尊のウヒチニ※が世嗣となった
 ・ウヒチニスヒチ※を妻とした
 ・この理由は、越国のヒナルノ岳の皇居にて、木の種を庭に植えておいたことに始まる
 ・種を植えた3年後の3月3日に、花も実も百(もも)ほど生じた
  ・これにより、この木をモモの木と名付けた(百から)
 ・また、二尊の名をモモヒナキ(男尊の名)、モモヒナミ(女尊の名)という
  ・雛とは人(成人)に成る前のことを言う
  ・君(キミ)という語は木の実を語源とし、男尊を"キ"・女尊を"ミ"と名付けたことに由来する
 ・二尊が人(成人)となった後の3月3日、酒造が始まって初めての酒が献上された
  ・二尊は桃の木の下で酒を酌み交わした
   ・この際、酒に月が映ったことから気分が高まったという
 ・そこで、まずは女尊が酒を飲み、後に男尊に勧めて酒を飲み交わした
  ・この順序の酒を"トコノミキ※(床の酒)"という(これによって性交に入ると取れる)
 ・身が暑くなると、翌朝に川で冷水を浴び、袖を湿らせた(陰陽和合=性交を表すと取れる)
・二尊はこの陰陽和合(性交)を喜んで、男尊の名をウヒチニ(泥因)・女尊の名をスヒチ(小泥)とした
 ・また、水(陰)と埴(陽)の交わりを祝う言葉として、大小を定めた
  ・ウス(大小・珍・朕・君)は、この二尊の故事が語源になっている
 ・また、この二尊の交わりを雛形(雛人形)として模らせた
  ・男尊は、冠(カムリ)・大袖(オオソデ)・袴(ハカマ)で現わされた
  ・女尊は、小袖(コソデ)・上被衣(カヅキ)
 ・そして、二尊が夫婦になったことから、臣が女を妻として娶るようになり、これに倣って民も結婚するようになった
  ・よって、ウヒチニの代に妻を定め、アメナルミチにも加わった(根本方式の一になった)
  ・この時、五百継天の真榊の年(真榊を植え始めてから3000万年後)のことであった」

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用語解説

・マサカキ(ヰモツギノアメノマサカキ):上古の暦の指標とされる榊であり、6万年で枯れて植え継がれるという
・ウヒチニ:トヨクンヌの後を継いだ四代目の君であり、夫婦となった史上初の男尊である
・スヒチ:ウヒチニの妻であり、夫婦となった史上初の女尊である
・トコノミキ(トコミキ):男女を融和・調和するために、トツギ(性交)の際に飲む酒を指す

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原文(漢字読み下し)

・真榊(まさかき)の 植(う)ゑ継(つ)ぎ五百(ゐも)に
・満(み)つる頃(ころ) 代嗣(よつき)の男尊(をかみ)
・ウヒチニの スヒチを入(い)るる
・最愛(さいあひ)の その基(もとおり)は

・越国(こしくに)の ヒナルノ岳(たけ)の
・上宮(かんみや)に 木(き)の実(み)を持(も)ちて
・生(あ)れませば 庭(にわ)に植(う)ゑおく
・三年後(みとせのち) 三月(やよい)の三日(みか)に
・花(はな)も実(み)も 百(もも)生(な)る故(ゆえ)に
・モモの木(はな) 二尊(ふたかみ)の名(な)も
・モモヒナキ モモヒナミなり

・雛(ひな)はまだ 人(ひと)成(な)る前(まえ)よ
・君(きみ)はその 木(き)の実(み)によりて
・男尊(をきみ)はキ 女尊(めかみ)はミとぞ
・名付(なつ)きます

・人(ひと)成(な)る後(のち)に
・三月三日(やよいみか) 酒(みき)造(つく)り初(そ)め
・奉(たてまつ)る 桃下(ももと)に酌(く)める
・酒(みき)に月(つき) 映(うつ)り進(すす)むる

・女尊(めかみ)まつ 飲(の)みて勧(すす)むる
・後(のち)男尊(をかみ) 飲(の)みて交(まし)わる
・床(とこ)の酒(みき)

・身(み)暑(あつ)ければや
・翌三朝(あすみあさ) 冷川(さむかわ)浴(あ)びる
・全(また)きとて 名(な)もウヒチニと
・スヒチ尊(かみ)

・これも水埴(うひ)和(に)る
・振言(ふること)や 大(おお)き少(すく)なき
・大小(うす)の名(な)も

・この雛形(ひなかた)の
・男(を)は冠(かむり) 大袖(うおそて)・袴(はかま)
・女(め)は小袖(こそて) 上被衣(うはかつき)なり

・この時(とき)に 皆(みな)妻(つま)入(い)れて
・八十(やそ)続(つつ)き 諸民(もろたみ)も皆(みな)
・妻(つま)定(さた)む 陽陰和る道(あめなるみち)の
・具(そな)わりて 類(たくひ)生(な)るより
・年(とし)数(かそ)え 五百継天(ゐもつきあま)の
・真榊(まさかき)や

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります