現代語訳

・これより以前、ミコモリ(皇子守)のオモイカネ※が信濃のイナホラ(辞洞)に入り、アチノカミとなった
 ・よって、7代目タカミムスビ※タカキネ※がヤスカワの新宮にて、オシヒトの代わりに大嘗事(大政)を執ることになった
タカキネは守議を開き、「イヅモを正そうとおもうが、適役は居るか?」と問うた
 ・すると、「ホヒ※の尊が良いでしょう」という声が皆から挙がった
・このため、ホヒの尊を召して、出雲の説得に向かわせた
 ・しかし、ホヒは出雲の国守のオホナムチに媚び諂って、3年経っても返事をしなかった
 ・そこで、ホヒの子のオオセイイミクマノを派遣したが、父のように帰ってくることは無かった

※オシヒト(オシホミミ)が病弱であったため、それまではオモイカネが実政を執っていた

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用語解説

・タカミムスビ:"ヒタカミ国を統べる者"という役職名を指す
・オモイカネ:タカギ(タカミムスビ)の子であり、ヒルコの夫、タチカラヲの父。『記紀』でいうオモイカネに当たる
・タカキネ(タカギ):カンミムスビの子で、七代目タカミムスビに当たる。『記紀』でいうタカミムスビ(高木神)に当たる
・ホヒ:アマテルとモチコの御子で、『記紀』でいうアメノホヒに当たる

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原文(漢字読み下し)

・先(さき)に皇子守(みこもり)
・オモイカネ シナの辞洞(いなほら)
・アチの神(かみ)

・よりて七代(ななよ)の
・大嘗事(うなめこと) タカキネヤスの
・今宮(いまみや)に タガ若宮(わかみや)の
・代(かふ)の殿(との)

・タカミムスビの
・守議(かみはか)り イヅモ立(た)たすは
・誰(たれ)良(よ)けん ホヒの尊(みこと)と
・皆(みな)言(い)えは ホヒの尊(みこと)に
・平(む)けしむる

・然(しか)れとホヒは
・国守(くにかみ)に へつらい媚(こ)ひて
・三年(みとせ)まて 返言(かえこと)あらて
・オオセイイ ミクマノ遣(や)れと
・父(ちち)かまま 帰(かえ)らねはまた
・守議(かみはか)り

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります