現代語訳

・なお、昔 トヨスキヒメは神の告げによってミタマケ(神霊笥)を担いで与謝に到った
 ・橋立(天橋立)に掛かる雲は、笠縫(相成山傘松)の上からミヤツノマツ(宮津市松原)にまで棚引いていた
・瑞籬(崇神天皇)の39年3月3日、詔によってケクニの大臣のタケミクラが斎主となった
 ・また、ヒコヰマスの子のタニハミチウシをミケノモリとし、アメノヒオキを神主とした
 ・また、フリタマはネキ(禰宜)とされた
 ・そして、これらにトヨケ神※アマテル神※を祀らせた
 ・なお、タニハミチウシは御供の神恵みにより、良き子を得た
・その後、トヨスキヒメはササハタミヤに帰った
 ・すると、また神の告げにより、大神の形見(ミタケバシラ)を得た
 ・そして、近江から美濃を巡ってイセイイノのタカヒオガワにて進みを止めた
 ・そのため、そこにイヰノミヤ(飯の宮)を造り、神を鎮めた

※籠神社・真名井神社ほか、天橋立周辺に祀ったものと推察される

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用語解説

・トヨケ神:イサナミの父で、5代目タカミムスビ。いわゆる豊受大神に当たる(伊勢外宮に祀られる)
・アマテル神:イサナギ・イサナミの御子。イセの神で、いわゆる天照大御神に当たる(伊勢内宮に祀られる)

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原文(漢字読み下し)

・昔(むかし)トヨスキ
・神(かみ)の告(つ)け 神霊笥(みたまけ)担(かつ)き
・与謝(よさ)に行(ゆ)く この橋立(はしたて)は
・笠縫(かさぬい)の 上(ゑ)より宮津(みやつ)の
・松(まつ)に雲(くも) 棚引(たなひ)き渡(わた)す

・瑞籬(みつかき)の 三十九年三月三日(みそこやよみか)
・御言宣(みことのり) ケクニの大臣(おとと)
・タケミクラ 斎主(いわひぬし)とし
・イマスの子(こ) タニハミチウシ
・御供(みけ)の守(もり) アメノヒオキは
・神主(かんぬし)に フリタマは禰宜(ねき)
・トヨケ神(かみ) アマテル神(かみ)お
・祭(まつ)らしむ ミチウシ御供(みけ)の
・神(かみ)恵(めく)み 良(よ)き子(こ)得(ゑ)たり

・トヨスキは ササハタ宮(みや)に
・帰(かえ)ります また神(かみ)の告(つ)け
・大神(ををかみ)の 形見(かたみ)頂(いたた)き
・近江(あふみ)より 美濃(みの)お巡(めく)りて
・妹背(いせ)斎野(いいの) 高日拝地(たかひおかわ)に
・進止(すすとと)む 高宮(たかみや)造(つく)り
・鎮(しつ)めます

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります