現代語訳

・(コヤネは続けた)
 ・「故にワカヒメは聡明で、カナサキに東西南北の名の由縁を尋ねた
 ・翁曰く、日の出づる頭は東、日が猛昇り皆が見るのは南、日の落ちる西は熟沈むところである
 ・米と水を釜に入れて炊くには火頭を点け、煮え花を皆が見れば やがて煮え静まる
 ・このように日の巡りと一度の炊飯は似たようなものである
 ・また、寿命は昔から食事と関係があるという
 ・月三食の人は100万年、月六食の人は20万年、今の世は平均2万年生きる、食を重ねれば齢もなし
 ・故に我が君(アマテル)は月の三回の食事で、さらに苦いハホナ※(不老長寿の薬草)を食すのである
 ・また、南向きの朝気を受ければ長寿になるとも言われている」

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用語解説

・ハホナ:ハラミ山(富士山)に生える寿命を千年延ばす草の一つで、食べると寿命が千年延びるとされる

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原文(漢字読み下し)

・ワカ姫(ひめ)聡(さと)く
・カナサキに 東西南北(きつさね)の名(な)の
・故(かれ)お請(こ)ふ

・翁(をきな)の曰(いわ)く
・日(ひ)の出(い)つる 上(か)し所(ら)は東(ひかし)
・猛昇(たけのほ)る 皆(みな)見(み)る南(みなみ)
・日(ひ)の落(お)つる 西(にし)は熟沈(にしつ)む

・米(よね)と水(みつ) 釜(かま)に炊(かし)くは
・火頭(ひかしら)や 煮(に)ゑ花(はな)皆見(みなみ)
・煮(に)ゑ静(しつ)む 回日(ゑか)一度(ひとたひ)の
・食(みけ)はこれ

・経(ふ)る年(とし)古(ふ)より
・月(つき)三食(みけ)の 人(ひと)は百万(もよろ)に
・月(つき)六食(むけ)の 人(ひと)は二十万(ふそよろ)
・今(いま)の世(よ)は たた二万年(ふよろとし)
・生(い)き均(な)るる 食(みけ)重(かさ)なれは

・齢(よわひ)なし 故(かれ)に我(われ)か君(きみ)
・月(つき)の三食(みけ) 苦(にか)きハホ菜(な)や

・南(みなみ)向(む)き 朝気(あさき)お受(う)けて
・永(なか)らえり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります