現代語訳

・(ニニキネに馬術の基本を教えたタカヒコネは、次に馬術における技のそれぞれを教えた)
・まずは地道について教えた
 ・「地道(普通に歩く)の鐙は金属製である
 ・駆ける場合は連縄を馬の尾より5寸短く持つべし
 ・また、腹帯は緩くして指5本が通る程度の隙間を作って置くべし」
・次に厳駆けについて教えた
 ・「腹帯は緩めず、少しキツめに締め、鞍・差縄・胸懸も四方手に添えること
 ・次に、轡綱の1丈6尺の中ほどを差縄に添え、轡の突起に結びつける
 ・そして、手綱の端を両手に持つ
 ・これが馬の暴走を防ぐ一貫間(ひとぬきま)の持ち方である
 ・また、連栲(テルタエ=手綱の一種)は1丈6尺あり、轡の左右の突起に結んで真中を持つべし
 ・分栲(分けた手綱)と貫間(一本の手綱)を兼ねるのが連栲である」
・次に良馬の見分け方について教えた
 ・「良馬は、目鼻から尾骨までの8尺の幅・丈(連・立)が5尺5寸(ヰタヰキノリ)のものが良いとされる
 ・これは、八月十五日(芋葉月)・五月五日(妹背の繁々祝)の祝典に掛けたと云われている
 ・例えば、ふとく(2と9)と、やつゐゐ(8つ5・5)の割合で考えて選ぶべし」

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・地道(ちみち)の鐙(あふみ)
・金製(かなつく)り 駆(か)けは尾差(をさし)の
・連縄(つりなわ)も 五寸(ゐつき)短(みし)かく

・地道(ちみち)には 腹帯(はるひ)緩(ゆる)くて
・五指(ゐつゆひ)の 通(とふ)る程(ほと)好(よ)し

・厳駆(いつか)けは 腹帯(はるひ)緩(ゆる)めす
・ちと締(し)めて 下嘗(しとな)・きつな
・胸懸(むなかひ)も 四方手(しほて)に添(そ)えて

・轡綱(くつはつな) 一丈六尺(ひとたけむた)の
・中(なか)ほとを きつなに添(そ)えて
・轡(くつはみ)の 派(は)に結(ゆ)ふ端(はし)お
・両手(まて)に持(も)つ 熱走(あたはし)りなき
・一貫間(ひとぬきま)

・また連栲(またてるたえ)は
・丈六尺(たけむた)の そのミツヅキを
・左右(まて)の派(は)に 結(ゆ)ひて中持(なかも)つ
・別栲(あかたえ)と 貫間(ぬきま)お兼(か)ぬる
・連栲(てるたゑ)や

・馬(むま)の定(さた)めは
・目鼻(めはな)より 尾骨(おほね)え八尺(やた)の
・連立(つつたち)は 五尺五寸法(ゐたゐきのり)を
・八月十五日(はつきもち) 五月五日(さつきゐつか)の
・言祝(ことほき)の 典(のり)に掛(か)けたは
・怪(あや)しあり

・喩(たと)え 二(ふ)と九(く)と
・八(やつ)・五五(ゐゐ)の 割合(わりあひ)考(かか)ゑ
・給(たま)ふへし

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります