現代語訳

・この時、上鈴326年
 ・1月7日、オシヒトはアマツヒツキを受け継いでタリヒコクニ※のアマツキミとなった
  ・また、斎名のオシヒトにより位が成った(弟が皇太子となった理由は誕生の由来に関係があるということか?)
  ・そして、天の法に倣って飾りを民に拝ませた
 ・帝位に就いた後、局を定めた
  ・まず、磯城ナガハヱの娘のナガヒメを大スケ后とした
  ・また、十市ヰサカヒコの娘のヰサカヒメを内后とし、長橋に居てヲシテ守りをさせた
  ・その他にも定めて、総て12局が成った
・(考安)2年(上鈴327年)
 ・冬、ムロアキツシマの新都を築き遷都した
・(考安)11年(上鈴336年)
 ・叢雲が湧き、稲にホヲムシが付けば、君 自らが祓いの"カセフノマツリ"を催行した
  ・これによって稲が甦り、瑞穂となった
  ・よって、"ホツミノマツリ"をなす
・(考安)26年(352年)
 ・春、2月14日、春日親君のアマタラシヒコクニの娘のオシヒメを娶って内宮とした、このとき姫は齢13歳であった
 ・8月14日、父(カヱシネ)の崩御から33年後に遺骸をハカタノホラに納めた
  ・この際、臣・侍の遺骸も皆納めた
  ・また、生きていた三人も追って罷った、これをアメミコノリ(天御子法)という
・(考安)51年(377年)
 ・9月初日、后のオシヒメが生んだ子は斎名をネコヒコというオオヤマトフトニ※の御子である
・(考安)76年(402年)
 ・春、1月5日、ネコヒコが代嗣御子(皇太子)となる、このときの御子は齢26歳であった
・(考安)92年(418年)
 ・春、スルガミヤにハフリがハラノヱ(ハラミ山の絵)のを奉る
  ・皇子(ネコヒコ)が告げたが君はこれを受け取らなかった
・(考安)102年(428年)
 ・1月9日、君が罷る、享年137歳であった
  ・皇子が喪還を収めて48夜を経た後、若宮として政を聞いた
 ・9月3日に遺骸を玉手に送り、5人が追って罷った
  ・これらを共に納めて父(タリヒコクニ)"アキツカミ"と称えた

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用語解説

・タリヒコクニ:6代孝安天皇。『記紀』のヤマトタラシヒコクニオシヒトに当たる
・オオヤマトフトニ:孝安天皇とオシヒメの子で7代孝霊天皇となる。『記紀』のオオヤマトネコヒコフトニに当たる

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)上鈴(あすす) 三百二十六年(みもふそむとし)
・一月(はつ)の七日(なか) 和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて タリヒコクニの
・和(あま)つ君(きみ) 斎名(いむな)オシヒト
・位(くらひ)成(な)る 飾(かさ)りお民(たみ)に
・拝(おか)ませて

・磯城(しき)ナガハヱか
・ナガ姫(ひめ)お 大(おお)スケ后(きさき)
・十市ヰサカ ヒコかヰサカ姫(ひめ)
・内后(うちきさき) 長橋(なかはし)に居(い)て
・ヲシテ守(もり) 総(すへ)て十二(そふ)なり

・二年冬(ふとしふゆ) 室秋津島(むろあきつしま)
・新都(にいみやこ) 十一年(そひほ)叢雲(むれくも)
・蝕虫(ほをむし)お 付(つ)くれは君(きみ)の
・自(みつか)らに 祓(はら)ひカセフの
・祭(まつり)なす 故(ゆえ)甦(よみかえ)り
・瑞穂(みつほ)充(あ)つ よりて果実(ほつみ)の
・祭(まつり)なす

・二十六年(ふそむとし)春(はる)
・二月十四日(きさらそよ) 春日(かすか)親君(きみ)の
・オシ姫(ひめ)お 入(い)れて内宮(うちみや)
・今年十三(ことしそみ)

・三十三年後(みそみとしのち)
・八月十四日(はつきそよ) 送(おく)る御上(みうえ)の
・骸(おもむろ)お 博多(はかた)の洞(ほら)に
・納(おさ)むなり 臣(とみ)・侍(め)の骸(から)も
・皆(みな)納(おさ)む 生(い)きる三人(みたり)も
・追(お)ひ罷(まか)る 天御子法(あめみこのり)や

・五十一年(ゐそひとし) 九月初日(なかつきはつひ)
・后(きさき)生(う)む 斎名(いむな)ネコヒコ
・オオヤマト フトニの御子(みこ)そ

・七十六年(なそむとし) 春(はる)一月五日(むつきゐか)
・ネコヒコの 歳(とし)二十六(ふそむ)立(た)つ
・代嗣(よつき)御子(みこ)

・九十二年(こそふとし)春(はる)
・駿河宮(するかみや) ハフリハラの絵(ゑ)
・奉(たてまつ)る 皇子(みこ)申(もふ)せとも
・君(きみ)受(う)けす

・御代百二年(みよももふとし)
・一月九日(むつきこか) 君(きみ)罷(まか)る歳(とし)
・百三十七(ももみそな) 皇子(みこ)喪還(もは)収(おさ)む
・四十八(よそや)後(のち) 若宮(わかみや)に出(い)て
・政事(まつりこと)

・九月三日(なかつきみか)に
・骸(おもむろ)お 玉手(たまて)に送(おく)り
・五人(ゐたり)追(お)ふ 共(とも)に納(おさ)めて
・アキツ神(かみ)かな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります